保育園のヒヨコ経営者ブログ

こども達へより良い成長環境を提供ために、保育園の経営を考えて行きたいと思います。まだまだ、経験が浅いために必死に勉強していきます。その備忘録的な活用を想定しています。

就職先として株式会社の保育園を選ぶ保育士は考えなおせ

保育業界では死活問題となっている保育士不足の問題。

そこで、2019新卒採用戦線の真っ只中にいる就活生の参考になればと思い、どうやって就職先を決めるべきなのか考えてみました。

 

①そもそも保育が本当にやりたいことなのか見極める

他の業界に少しでも興味があるなら、インターンやOG訪問・企業説明会に参加するなど見に行ってみたほうがいいです。

やっぱり学生の段階では視野は狭いし、将来に迷いもあるのが普通でしょう。

実際に足を運び、自分で見て、話を聞いてみて、納得して業界を選んだほうがいいと思います。

 

②だいたいの勤務希望エリアを選ぶ

現在だと宿舎借上げ支援制度など、単身者の家賃補助はほぼ無性に近い価格で借りれるほど充実しています。

つまり、やりたい保育をやっている法人があれば全国どこにでも押し掛けることは可能です。

が、そうなると選択肢が多すぎるので、関東圏なのか地元なのかなどある程度はエリアを絞って法人を探し始めたほうがいいと思います。

 

③そのエリアの中から理念・保育方針に共感できそうな法人をピックアップ

次はインターネットで調べるなどして、自分がやりたい保育をできそうな園を選びます。

 

④実際に園に見に行く、体験してみる、話を聞いてみる

教育実習先として希望する、インターンシップに参加する、就職説明会に参加する、就職フェアに参加して話を聞いてくるなど。

重要なのは、実際に保育園の日常を見ることです。就活生にいいことばかりうそを言っている法人も多いので、長期間のインターンシップを希望するなどして、実際はどうなのかを見極めてほしいです。

 

⑤候補の中からどこにするか決める

ここまで来て、絶対ここがいいというのが決まっている人はそんなに多くありません。

結構悩むと思いますので、それが普通ですがどうやって決めたらいいのでしょうか。

 

1.保育理念が現場の保育で実際に実践されているか

2.就活中に出会った人はその法人のエースクラスです(園長・主任・イケてる若手)。自分がそうなりたいと思えたかどうか。

3.園の雰囲気が良いか、また自分に合っているか。(ギスギスしてたり、幼稚なノリの法人など見極める)

4.人材育成計画、サポートはどうなっているか。成長していく自分をイメージできたか。

5.労働条件が悪くないか

 

ぱっと思いついたことを列挙してみましたが、こんな感じで検討してみてはどうでしょうか。

ここで、最後の検討事項である労働条件では、厳しい労働に見合った給料が得られるのかがきになるところですね。

でも、この給与が高いか低いか、見定めるのは学生には無理です。

なぜなら、将来の給与テーブルがどうなっているかを開示する法人はないからです。

つまり、初任給は多少の差があっても、2年目、5年目、10年目でどのような昇給をしていくかは全く分からないからです。

特に株式会社は初任給を高めに設定しているところが多いので、給料が高いのではないかと誤解する学生さんもいると思うので注意してほしいと思っています(最初だけです)。

そもそも、株式会社の存在目的は「株主価値の最大化」。

つまり、会社の所有者である株主(オーナー)に配当という形で園からお金をどれだけ吸い上げられるか、それが重要なわけです。

さらに、そういった利益を追求する法人には、税金がかかってきます。

 

つまり、保育園の運営費から、オーナーへの分配金、税金の支払いをして、残ったお金で人件費をどうしようかという構造になっています(PL上では順番は違いますけど割愛)。

一方で、社会福祉法人が経営していると、オーナーへの分配金は禁止されていてできない、また利益を追求していないので税金も非課税となっています。

だから、法人形態の構造上、運営費から人件費に割り振れるお金は、圧倒的に社会福祉法人が有利となっています。

実際のデータでは、人件費は社会福祉法人が株式会社よりも、40%も多くなっています。

mainichi.jp

少し古い記事ですが、運営費を100だとすると、そのうち人件費に充てられるのは、株式会社は50%、社会福祉法人は70%となっています。

ちなみに、国の想定では、人件費は70%です。

 

では、株式会社で本来人件費に充てられる20%のお金はどこに行っているのか、それは保育士ではなく、株主(オーナー)になっているわけです。

したがって、株式会社の保育園に就職するという選択肢は最初から除外したほうがいいです。

ちなみに、離職率は株式会社が社会福祉法人の約2倍となっています。株式会社では薄給・激務となり易いために、離職率も高くなっています。

初任給が高いというエサにつられて就職した者の、給料が全然上がっていかないという現実に直面するでしょう。

また、株式会社の保育園にこどもを預けるということは、そういった厳しい環境、人の入れ替わりが多い環境に大切な子供をゆだねるということです。保護者にも見定めることが求められます。

ただし、これは構造的な問題であってあくまで一般論。株式会社でもしっかりしているところもあるので、見定められるチカラのある学生さんは株式会社でも検討してみてもいいと思います。

給料が安くても、どうしてもやりたい保育が株式会社の園でしかやっていないのなら、それはそれで選択肢としてはありではないでしょうか。

養成校の学生さんたちが、素敵な就職先に出会い、立派な保育士に成長できることを願っています。

是非、一緒にこどもたちのより良い未来に貢献していきたいものですね。